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絵文字


 「絵文字」を使うことは、最近ではメールの常識のようになっている。
 様々な「絵文字」が作られ、それだけで手短に意を伝えることも可能となった。
 ただ、これを「文章」と見るか、それは問題である。
 
 「絵文字」によって「正しい日本語」が使われなくなり、表現能力が低下するのではないかと指摘する人々がいる。
 「文字」そのものは「記号」に過ぎない。「絵」であろうと「漢字・仮名・アルファベット」であろうと同じだと見ることもできる。
 そもそも、「漢字」は「形象文字」といわれる「絵文字」「表意文字」を起源とするのだから、「絵文字」が氾濫しているからといって、文字文化の破壊だというのは短絡であろう。
 むしろ、手紙や文章を「手で書かなくなった」現象をどう見るか。メールやワープロに頼る入力は、難しい漢字を簡単に変換してくれるとはいえ、「当て字」的な使われ方も起こっている。こちらの方が表現力の低下だけではなく、混乱の原因となっている可能性が高い。

 「日本語」は、特に「感情表現」や「評価表現」などでは難しい問題を含むことが多くあり、言葉の「ゆれ」が起きている。
 例えば「かなしい」という言葉である。漢字では「悲しい」「哀しい」と書かれ、「絵文字」では、「(/ω\)」「゚(゚´Д`゚)゚」などと表現される。
 話言葉では、微妙なアクセントによって真意が伝えられるのだが、書き言葉(文字)ではうまく伝わらないことがある。その前後の文章から推察する以外にない。そのため文章自体が長くなってしまう傾向がある。
 
 その長さを嫌い、仲間内にしか通じない「記号」に過ぎなくとも、手短な「絵文字」で真意を伝えたいのだろうか。「顔の表情」を示す「絵文字」などには、そのせつなさがうかがえるように多様な「絵」がある。
 
 生活習俗の変化と「言葉の意味」に微妙な「ずれ」が起きていて、それがこの背景にあるのかもしれない。「本来は」などと言ったところで、それを伝承する習俗がなくなってしまったら「正しく」伝わるはずがない。
 
 
ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術

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  • 作者: 永田 豊志
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2011/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 


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