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磐石

 今年こそは「磐石の構え」で備えたい。
 そのつもりでいても、イザという時に困惑するのが世の習い。『磐石の備え」は難しい。
  「磐石」が、その上に作られた物を、微動だにもせず支える姿には安心感がある。「砂上」では、何時崩れるか不安でこのような訳にはいかない。
 
 「磐石」(ばんじゃく)とは、 1 重く大きな石。いわお。2 堅固でしっかりしていてびくともしないこと。
 として使われるのだが、その由来には諸説がある。
 
  その一つに次のような説がある。
  「磐石」とは、不動明王が座している、その土台の事で、金剛石とされているのでダイヤモンドの原石である。
 「不動明王」が「憤怒相」「降魔の三鈷剣」「羂索(けんじゃく)」「迦楼羅焔」を以て、衆生を救わんとするその意志の固さを現している。 転じて、磐石とは何者にも害されない強さを持った土台の事。
 
 ここでは、不動明王の土台としているが、宮殿や神社の建設礎石(心礎)として奈良時代から使われてきた土台:下つ磐根(しもついわね)に由来するものと見るのが妥当であろう。
 「下つ磐根に大宮柱太敷き立てて‐‐‐」という祝詞がある。「磐石」を土台として、その上に宮殿を壮大に築く意味の慣用句としてよく使われてきた。
 この伝統は、伊勢神宮の遷宮式にも引き継がれ、現在でも二十年ごとの儀式として「御柱祭り」の中でも重要な位置を占めている。
 
 伊勢神宮では、「岩根」というが、仏教の「金剛輪(地輪)」を 示し、「天長地久の宝座」であるという。
 「常盤(ときわ)堅 盤(かきわ)に動かない心御柱」の不動性と永遠性を祈願した。
 さらに、龍神などが台座の守護神として勧請された。
 中世に成立した「伊勢神道書」では、「心御柱」は「国生みの際に現れた独鈷」を型どったものであり、それが不動明王として現れたことがあるともいう。
  「磐石」には、不動明王以前の歴史が隠されているのである。
 
 「不動の磐」に対する信仰は、わが国の基層意識であって、「君が代」にもその痕跡がある。
 「君が代は、‐‐‐‐さざれ石の巖となりて、苔のむすまで」
  このように 「磐石」の不動性と永遠性が語り継がれている。
  



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